(桜の吉野山)

吉野山

 古来より桜の名所として名高い所で、吉野山の谷から尾根を埋めるおよそ3万本。下千本から中千本、上千本、奥千本へと花期をずらして順に咲きのぼる様子は壮観です。
 又馬の背のような山は役行者(役小角・えんのおづぬ)を開祖とする修験道の寺や、南朝ゆかりの史跡・西行や芭蕉が逍遥した文学の史跡など、見所がたくさんあります。


(家族で楽しめる津風呂湖)

龍 門

 吉野町の北部には、大和平野と吉野を隔絶する龍門山塊があり、古来より大和から吉野に入るのに、この峠を多くの人が越えてきました。そこから見る吉野は格別で、葛野王ら多くの人が神仙とか桃源郷のイメージで表しました。芭蕉や宣長らもこの峠を越えて吉野へやってきました。又釣りやボート遊び・ハイキングの楽しめる風光明媚な津風呂湖や龍門岳もお薦めスポットです。


(巨岩奇石の宮滝)

宮 滝

 ここは、「吉野宮」「吉野離宮」があった所で、紺碧で深淵な水と絶壁の両岸に岩つつじが咲く吉野川。その当時は水量が多く、万葉時代には多くの天上人が優雅に舟遊びをしました。
 また、ここは在位中31回もここを訪れた持統天皇に随行した柿本人麻呂や、大伴旅人ら数多くの万葉歌人が歌を詠んだ所としても有名です。


(能「国栖」の一場面)

国 栖

この地は、古代の天皇との関わりが深く、特に1300年前にここを訪れた大海人天皇(天武天皇)ゆかりの伝承が数多く残り、能「国栖」の舞台ともなった所です。この地に残る手漉き和紙は、壬申の乱に勝利した皇子がお礼にその技術を伝えたとも言われています。又毎年旧正月14日に、浄見原神社で奉納される典雅な舞楽「国栖奏」は、応仁天皇が「吉野宮」に行幸された時、国栖人が一夜酒をつくり歌舞を奏して天皇を慰めた故事によります。